”重り”……?
エソンです。
今日はノスタルジックな回です。
みなさんは小中学校の理科で「重り」って使いましたか?
天秤に慎重に乗せる時、実験してるな〜と手応えがありましたよね。実験には爆発が付き物だと思っていたのでいつこの分銅が爆ぜるのかとハラハラしたものです。
高校の物理でも出てきましたよね。問題文で迷惑なやつが重りを運んだり坂から滑らせたりするから、僕の筆は運ばないし試験にも滑る。お願いだから重りを動かさないでくれ。
重り。それは時に爆発する分銅であったり、仮想的な迷惑な重い箱だったり、はたまたお花見のブルーシートを抑える石だったり。
重り……いい響きですね。オモリ……オモリ…………?重りって重たいから重りって言うんですかね。重たい→重り……なんか変じゃないですか?高三の僕に降ってきた疑問。はっきりさせないと勉強に集中できず、流れでいかがわしいサイトを閲覧してしまいそうだ......!クソー!グシャグシャ!
「重り」ってキモくね?
まだピンと来てない方も多いと思います。僕が重りに抱く違和感は、言葉の活用にあります。
例えば「はさみ」は、多分「はさむ」が元となって「はさみ」という名前になっていますよね。他にも、「鍋つかみ」は「鍋をつかむ」から来ています。このように、他動詞が原型の言葉は、連用形を使って名詞にするようです。何言ってるかわかりにくいですね。
要は「それっぽい法則性が見えてキタヨ!」ということです。why Japanese people!?のホワがのどちんこのとこまで出てきています。
では、「重り」はどうでしょう。重りは「重くする」から…「重くし」が正しそうじゃないですか??「重い」は形容詞ですから、今まで考えていた動詞の事情とは少し違うかもしれません。ちょっと違うけど、なら「重くする」が動詞で、名詞にしたら「重くし」。これが正解ですよね?重りの「り」ってどっから来たのでしょうか?why Japanese people!?のポまでのどちんこの所に出てきてます。
高3の僕はブチ切れです。解いていた物理の問題を引きちぎり、真面目に化学の問題を解いている友人に聞きます。「かくかくしかじかの理由より、『重り』という言葉はキモくない?Q.E.D.」
友人はペンを止め、大きなため息をついてから「………確かにね。」と一言。まさかこんな浅い思いつきに真面目に取り合ってくれる人がいるとは思わなかったので驚かされました。突然隣にやってきた巨人の戯言にそんなに真摯に反応しなくていいのに。化学の問題をバリバリ解いているオタクのくせにこの友人、なんて頼りになる男なんでしょうか。
さて、そういうわけで「重り」というワードについて友人の電子辞書で調べた所、一瞬で答えが出たのでお教えします。
重りは重くするという意味の動詞「重る(おもる)」を名詞化したもの。
ワ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
アナル〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(ああなるほどの意)
意味わかりますか。「重い」が「重り」の原型だと思い込んでいましたが、まだ知らぬ「重る」という動詞が存在したそうです。盲点でした。
そこで終わればいいものを、友人はさらに隣にいた女の子(僕は喋れなかった)と協力して、「『重り』みたいに今じゃ使わない動詞を名詞化して普及してる言葉」を調べることにしました。
その間僕は「こいつらァ良〜い研究者になるよォ〜」とアホ面で鼻水垂らしておりました。そこまで調べる意味もよくわからないし。
得られたのがこちらです。名詞は知ってるけど元の動詞はあんまり知らない名詞です。
・許嫁(言ひ名付く)
・鎖(鏈る(くさる))
・境(さかう)
・栞(枝折る)
・老舗(仕似す)
・紅葉(もみず)
・もやし(萌やす)
・明かり(明かる)
・鎧(よろう)
いかがですか。元の動詞を知らない単語も多いのではないでしょうか。こんなことを調べてニコニコしていたら青春時代が終わりました。
そんなわけで「重りってキモくね?」という疑問も無事瞬速で解決しました。よかったよかった。
せめて、モヤシは萌え萌えフードということだけでも覚えて帰ってください。貧乏大学生僕の心強い味方、モヤシ。栄養素だけでなく萌えまで持っていたとはコスパがカンストしていますね。スーパーで見かけては興奮しようと思います。
さようなら。