Gが出た
エソンです。
昨日からゴミ袋がカサカサいうなと思っていたら
☆☆☆GOKIBURI☆☆☆
がひょこっと出てきて心肺停止した話です。
僕は結構綺麗好きで、部屋が完全無欠な殺風景だと定評がありました。上京したてで物が少なく死角がありません。訪れる人は皆、「何このつまらん部屋」と言うなり帰ってしまいます。清潔な部屋ならゴキブリは出ないと思っていたのですが(呂布カルマもそう言っていた気がする)、安アパートの共用スペースなんてどこも生ゴミの墓地。残念ながら黒い悪魔は僕の部屋にも現れました。
事の発端は帰ってきて部屋のドアを開けた瞬間。部屋の靴箱の上、小物入れの中になにか動く影を見ました。
すかさず小物入れを廊下に投げ捨て部屋のドアを閉め、小物入れをよくみます。僕はまだ外の廊下にいます。4階です。
黒い昆虫がカサカサ┏(┏ ∵)┓と現れ俊敏なフットワークをこれでもかと見せつけてきます。その姿はまさにニュージーランドのラグビー選手マア・ノヌー。これはノヌーさんを悪く言っているわけではなくGの素早さを褒めています。ノヌーさんに怒られたら勝ち目がないので言っておきました。
地元の実家はG知らずの牙城と言われていたので僕はGさんと初対面でした。突然のことなので手土産も用意しておらずあたふたするばかりの僕。ゴキブリスレイヤースプレーを持っていないのでタイミングよく居た先輩(向かいの部屋に住んでいる)に助けを求めました。こんなとこに何年も住んでいるのならG破壊光線のひとつやふたつ撃てて然るべきです。
しかしどうやら撃てないようですし、G殺液を持っていないとのこと。仕方ないので廊下に置いてあった知り合いのカビキラーを浴びせます。廊下のカビがどんどん綺麗になってゆき、副作用としてGさんにもご昇天いただきました。不法侵入罪の刑罰がカビキラーシャワーとはいささか強すぎる気もしますがやむを得ません。Gさんには悪いことをしました。万が一僕が女子トイレや銭湯などに侵入した際はカビキラーを満遍なくかけていただいて構いませんので許してください。
さて、ラッキースケベ的にGとの初体験を終えた僕ですが、心は恐怖に支配されています。1匹見たら100匹いると言われていますし、彼女との同棲を始める前に虫100匹との同棲はさすがに、さすがにです。さすGです。
頼りになる先輩が「毒餌系より粘着テープ(ゴキブリホイホイ)のが良い」と教えてくれたので無視して「ゴキブリムエンダー(スプレー)」を購入しました。これがゴキブリ初対面からわずか20分後のことです。
とりあえずこの毒を部屋に噴霧して布団をかぶってブルブルと震えています。効き目があるか分かりませんし、効いたら効いたで弱ったGズが大名行列して現れたらどうしようと思っています。
Gとのエンカウントから、スプレーを購入、そして使用するまでの30分のあいだ、僕は常に緊張状態でした。一体あんな虫の何が怖いのかは分かりませんが、幼い頃からあれは嫌な物だと教育されてきたのでなんか怖いのです。
神経が過敏ビンビンです。とにかく黒い動くもの全てに過剰に反応する。お気に入りの黒いTシャツが揺れるだけで死ぬほど驚く。
ヒッッッッッ!!! Gか!?
違う...
チラ見えした壁の茶色いとこに死ぬほど驚く。
スプレーを使えたあとも緊張は続きます。
夢に虫が出てくるのが怖すぎて上書きのために猟奇殺人事件をググる。寝てる時に虫が口に入らないようにマスクをして寝る。呂布カルマが「Gが出たら生ゴミを捨ててバルサンをたけ」と言っていたからとりあえず掃除する。生ゴミを処分し、床を掃いて拭いて除菌。そしてゴキブリ絶滅の祈祷をする。
結論から言うと夢は見なかったしマスクは取れてたし部屋はきれいになりました。別に面白いことなんもなかった。Gの大名行列はちょっと見たかった気もします。
このように必死に対策をして一時の安寧を得ました。とはいえ仮初ですこんなもの。いつまたおGにお目にかかるか分かりません。
またGが出たらその時は手土産に地元の銘菓でも用意して丁重に帰っていただくことにします。皆さんも気をつけてください。
さようなら。